とにかく安いSHEINは、若い女性の間で注目されています。
最近では男の娘の女装にもSHEINはアリじゃないかなとも思っています。
合いそうな服が多いので私も買ってます。
これだけ話題のSHEINなので、世界レベルで売れているようです。
既にSHEINの評価額1,000億ドル超えと言われています。
既に巨大企業となったSHEINですが、労働搾取疑惑と強制労働の問題で批判されています。
今回は日中ハーフの男の娘が、労働搾取疑惑について調べました。
男の娘ニュース、始まりますよ。
SHEINはアメリカでIPOを目指してるとの噂があったが…
SHEINは既に何度かの資金調達を済ませている模様です。
昨年末にJPモルガンに吸収された元ベアスターンズの中国系を副董事長に呼んだようです。
これはニューヨーク市場でのIPOに向けた布石と言われています。
IPOの話は前から出ていますが、なかなか現実的な話は出てこないです。
超党派議員団にストップをかけられる
ニューヨーク証券取引所でのIPOを申請というニュースも出ましたが、SHEINの広報はこれを否定したようです。
SHEINはなんとかIPOに漕ぎつけたいはずです。
しかし、超党派の議員団が強制労働を利用していないことを確認するまでは、
SECにSHEINのIPOを認めないよう書簡を送っています。
SHEINにとって、これは非常にやっかいです。
ロイターの記事は以下のように書いています。
超党派の米議員団が米証券取引委員会(SEC)に書簡を送り、同社が強制労働を利用していないことを確認するまではIPOを認めないよう働きかけた。
米議員、SECに中国シーインの強制労働巡る審査要求
ロイターの英文記事にも ” it verifies it does not use forced labor “と書いてあります。
「ウイグルで強制労働によって採取された綿を使用していないこと」とは書いてません。
この記事の表現が正しいなら、綿栽培からロジスティックまで強制労働がないことを証明しないといけません。
すべてのサプライヤーとその調達先を調査しないといけなくなり、これはほぼ不可能かと思います。
もちろん、議員団はSHEINの調査では納得しないでしょう。
ロビー活動にかなりの資金を投入しているようですが、政治の風向きが変わらないと難しそう。
そもそも、ウイグルの強制労働は確たる証拠はありません。
強制労働させている証拠も、やってないという証拠もなく疑惑の状態です。
SHEINの労働搾取疑惑の一部は捏造
過去にFoxconnやPegatron(台湾EMS)の中国工場で作業員の労働環境問題がありました。
しかし、欧米で大した問題になりませんでした。
発注元はアップルですが、不買運動なんて起こっていません。
どういうことでしょうか。
イギリス Channel 4のSHEIN潜入調査は杜撰
去年、イギリスのChannel 4でSHEINのサプライヤーへ潜入調査したドキュメンタリーが公開されました。
これが発端になりSHEINの労働搾取が騒がれるようになりました。
Inside the SHEIN machineというタイトルで、YouTubeに上がっているので見てください。
権利の問題がクリアなのか分からないのでリンクは貼りません。
ジャーナリストの目的は明白です。
低賃金労働で搾取されている証拠を暴露する。
ジャーナリストのお姉ちゃんは、ドヤ顔はスゴイけど仕事が甘すぎます。
では、ドキュメンタリーの内容をチェックしてみます。
完全出来高制は珍しくない
ドキュメンタリーの中で、報酬が1個あたり0.4元とか0.27元など単価がでてきます。
中国工場の完全出来高制は、特に珍しくはありません。
チョンボペナルティも珍しくはないし、工場内の寮に住み込みも珍しくない。
いい悪いは別にして、珍しくはありません。
これだけでSHEINが搾取してるとは言えません。
他の工場と比較して検証しないと、単なる外人の思い込みでしかありません。
SHEINの服を1着作って6円は捏造です
ドキュメンタリーの中で作業しているおばさんが、自分の報酬を0.3元、0.27元と言ってます。
このおばさんの報酬が、なぜか服一着を作った報酬になっているんです。
このおばさんが手に持ってるのは糸切ハサミだけです。
労働者の多くが、1着わずか0.14元(約2セント、約3円)の手間賃を稼ぐために苦労している。2つ目の工場では、労働者は基本給がなく、服1着を作るごとにわずか0.27元(約4セント:約6円)を受け取ることがわかった。
SHEINの製品を作る労働者は1日18時間働き、報酬は1着わずか6円…英チャンネル4が潜入調査の動画公開
これはまったくアテにならないBUSINESS INSIDERというニュースサイトの記事です。
同じ内容の記事があちこちに出回ってます。
糸切ハサミで服が作れますか?
どう考えても、おばさんはどこかの糸をチョンチョン切るだけの作業をしてるだけです。
このおばさんの報酬を服一着作った報酬と報道しているのは捏造です。
何も考えない愚かな人が捏造記事をツイッターで拡散したり、リサーチ能力のないブロガーが騒いでるのが実態なんです。ドキュメンタリーは見たのでしょうか。
ちなみに0.27元は約6円なので、日本のシール貼り内職より報酬はいいです。
外人の思い込みで捏造されたSHEINは迷惑
外人は1個0.4元なんて聞くと反射的に安いと思うのでしょう。
確かに単価は安いかもしれないけど、同じ仕事で他の工場より安いという根拠がないとSHEINが搾取とは言えません。
サンフランシスコの水準で日本の地方の給料を見たら搾取になりますよ。
広州なら同じ仕事はいくらでもあるので調査は可能です。
外人のフィーリングだけで話しても全く意味はありません。
広州は縫製の町ですが、そんなに安く縫製工は雇えません。
コロナで大打撃を受ける前は、熟練した縫製工が足りず賃金がかなり上がっていました。
今は落ち着いており、年齢学歴不問で5,000元~の募集があります。
完全歩合制と長時間労働の関係
中国でも長時間労働は問題になっています。
過去にはあのジャック・マーも長時間労働を擁護する発言をして大炎上しています。
毎日ではないと思われるけど、18時間の労働をした日があると言ってます。
これは中国でも明らかに長すぎます。
SHEINが設定しているリードタイムはすごくタイトです。
だから、長時間労働で捌かないといけない日があるのだと思います。
シフトにしろよと思うのですが、これは別の問題が発生します。
ひとつは人員確保の問題です。
それと、残業で作業数を増やせないので稼ぎたい人に不満が出ます。
中国人は稼げないと速攻で辞めます。
単価が安いと残業、作業が遅いと残業、稼ぎたいなら残業
中国工場の完全歩合制は作業によって単価が違います。
ですから、単価の安い作業をしている人は数をこなさないといけないので残業です。
作業が遅い人も稼げないので残業になります。
稼ぎたい人も残業になるのですが、これには単価の変動が関わっています。
ドキュメンタリーにも出てきますが、一定数以上を超えると単価がアップします。
この方式を採用している工場は珍しくないです。
例えば、2000個までは0.5元、2001個目からは0.7元といったように単価が変動します。
稼ぎたい人は0.7元の作業数を増やしたいので残業します。
この方式はいいことばかりではなく、ノルマの数量にいかないと安い単価が適用されたりもします。
そしてチョンボペナルティが登場します
中国ではペナルティは違法ではありません。
このような賃金形態だと、とにかく数をこなしたくなります。
経営者側は不良品の山を作られるのが怖いので、チョンボペナルティを設定するのです。
ポカよけとか工程設計とか、そんな話が出現します。
ですけど、糸をチョンチョン切るレベルの作業に治具なんて作りませんよ。
SHEINが自信満々で調査結果を発表
SHEINは独立した調査結果を自信満々で発表。
この調査結果で1個6円は誤解であるとはっきり書いています。
私がドキュメンタリーを確認した結果、この部分はSHEINの調査結果どおりです。
調査では12.5~13.5時間労働が判明したとのことです。
潜入調査が入った工場の給料は、それぞれ平均月収が9,606元、10,026元でした。
Workersと書いてあるので、マネジメントは入ってないです。
広州の最低賃金が2,300元なので、かなりいい方だと思います。
ただし、歩合制で長時間働いてるから稼げているはずです。
また、製造工場の労働環境改善に1,500万ドル投資もすると書いてます。
(参照:SHEIN ニュースルーム 英語)
投資の一部はセキュリティ強化に回されるかも
労働環境改善に1,500万ドル投資するそうです。
杜撰な潜入調査に疑問を持たない人は、この投資の意味が分かるのでしょうか。
この投資の一部はサプライヤーのセキュリティ強化に使われると思います。
つまり、二度と潜入調査を許さないようにです。
EMSの工場ではラインに入る前に金属探知機をくぐるのが普通です。
従業員は携帯すら持ち込めません。
ここまでするかは分かりませんが、必ず潜入調査対策をすると思います。
SHEINのサプライヤーはすごく多いので、中にはひどい会社もあるかもしれません。
私はあるだろうと思っています。
しかし、今後は潜入調査が難しくなるでしょう。
杜撰な潜入調査でチャンスを潰した罪は重い。
作業員も潜入調査員も疲れてるのは中国人だけ
Channel 4のドキュメンタリーは、美人ジャーナリストがメインです。
この人は大した仕事をしていません。
きれいな服を着てイギリスでのんびり。
SHEINのサイトをパソコンで見たり、リサイクル工場でおしゃべりしてるだけです。
まったく必要のない映像で尺稼ぎでしかない。
中国人は潜入調査でお疲れ状態
一方、広州のサプライヤーでは、中国人が従業員としてカメラ付きで潜入。
こんなの見つかったらフルボッコは間違いないでしょうね。
もし、潜入調査がうまくいったとして、この工場はダメとなったら従業員は仕事を失います
完全歩合で働く人達は工場のドアが封印されたら収入ゼロなんです。
美人ジャーナリストはイギリスでのんびりなので、何かあっても助けはありません。
コロナで入国できなかったと思いますが、いても何の役にも立ちません。
警察、公安と言いますが、助けてくれるか疑わしいです。
イギリスのマスコミの手先だと知ると、公安だって助けてくれないだろうと思います。
お前が悪いとなるかもしれません。
潜入調査員はかなりヤバい仕事です。
潜入調査員が慣れない仕事でくたくた
従業員として潜入してるから、そこで仕事をしないといけません。
まさか潜入調査を無報酬でやってないと思うけど、疲れた疲れたと言っていてかわいそうです。
私は中国人の血が入ってるので思うんです。
ジャーナリスト側も縫製工場も、どっちもヒーヒー言ってるのは中国人じゃないか。
ネットで騒いでる人たちはこんなことは思わないでしょうが、
私は潜入調査員の中国人も搾取されてないことを願います。
SHEINの雇用条件は悪くない
これは社員の募集なので、ドキュメンタリーの内容とは関係ないです。
参考までにどんなものか紹介しておきます。
社員を大量募集中
南京で211、上海で36、深圳で117、広州で478の職種を募集中です。
海外ではシンガポール、タイ、フランス、アメリカなどで絶賛大募集中。
これは私が中国の求人を調べた結果です。
バックエンド開発エンジニアが2万~4万元(約39万~77万円)、デザイナーが1万~1.5万元(約19万~30万)です。プロダクトマネージャーが1.5万~3万元(約30万~58万円)、倉庫作業は8,000元~1.5万元(約15万~30万)で食事付社員寮あり。
勤務地はデザイナーのみ広州、その他は南京。
給料にかなり幅があるのですが、エンジニアの好待遇が目立ちます。
倉庫作業で8,000元は悪くない金額ですよ。
今や中国では稼ぐならエンジニア、文系で中国に行っても稼げません。
他にも難癖をつけられるSHEIN
他にもSHEINはいろいろ難癖をつけられてます。
例えば、タグにNEED YOUR HELPと書いてあり、労働者が助けを求めているというネタ。
タグのNEED YOUR HELPは英語がまずいけど、
次のwashiing withに続く洗濯の注意書きということがファクトチェックで明らかになりました。
つまり、デマです。
そもそも、作業員が大量生産のタグに仕込むのが現実的か考えたら分かるでしょう。
ただの作業員が機械にインプットできますか?
なぜ自分の頭で考えないのか、自分なりのファクトチェックをしないのか不思議です。
中国嫌いだけでは何も見えません
私はフェアに考えているだけですが、SHEINを擁護してると思ってもらっても構いません。
実際に服1着6円は捏造なので、そこは擁護するのが当然だと思います。
ドキュメンタリーを見れば、すぐに分かることです。
なぜ、こんな簡単なこともせずに騒ぐのか分かりません。
ただ中国が嫌いなだけだと思います。
やっぱり中国はロクでもないという報道が嬉しくて飛びつくのでしょう。
私はそれを右翼的発想と呼んでいます。